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「目玉焼き冷凍してみた!」その結果は?

まだまだ知名度が高いとは言えない液体凍結機…「これは冷凍できるの?」「緩慢冷凍だと冷凍できない食品、液体冷凍だともしかして…?」などのお声をいただくことが多くあります。
液体での冷凍では、従来の緩慢冷凍では出来なかった高品質な冷凍が可能になっているため「液体凍結なら実はこれも冷凍できる!」という食品があるのです。

今回はお客様に「液体凍結機を使用すれば、目玉焼きを冷凍できますか?」というご質問をいただき、当社スタッフがテストしてみましたので、その結果をご紹介いたします。


ゆで卵のテストは実施済

実は以前、ゆで卵の冷凍テストを実施しており、その結果を当ブログでご紹介していました。
ゆで卵をふたつを真空パックし、片方は液体急速凍結機「リ・ジョイスフリーザー」で-35℃で急速冷凍し、もう一方は普通の冷凍庫(緩慢冷凍)で冷凍しました。冷凍後は約1年4カ月冷凍庫で保存し、その解凍後の状態をテストしたものです。

解凍したゆで卵、まずはドリップの流出量に大きな違いが出ました。液体凍結のゆで卵はドリップがほとんど出ていないのですが、緩慢冷凍のゆで卵はドリップ量が多く、その分小さくなっています。

断面を比較するとその差はより分かりやすく、液体凍結のゆで卵は白身に少し劣化が見られるものの、弾力があり、黄身もしっかり残っています。緩慢冷凍のゆで卵はドリップによって水分が流れ出てしまったために白身はかたく、黄身も崩れてドロドロになっていました。

同じ期間冷凍保存した食品でも、冷凍方法によって解凍時の品質には差が出ることをお分かりいただけますでしょうか?
ゆで卵の冷凍テストについて、詳しくはこちらをご覧ください。


そもそも卵は冷凍できる?

そもそも卵は冷凍できるのでしょうか?
冷凍食品には「水分含有量が多い食品は冷凍には不向きである」という原則があります。
これは食品に含まれる水分が凍結しやすい温度帯である-1℃から-5℃(最大氷結晶生成帯、と呼ばれます)を通過する際に氷結晶が大きくなり、細胞を破壊してしまうことが原因です。細胞破壊をしながら冷凍した食品は、解凍したときに旨味成分がドリップとして流れ出てしまうため、見た目はスポンジ状に、食感もゴムのように固くなってしまいます。
水分量が多い食品は特にこの現象が顕著であるため、冷凍には不向き、とされています。


卵の白身(卵白)は成分の90%近くが水分と言われており、上述の通り冷凍には不向きな食品であると言えるでしょう。
一方で黄身(卵黄)の水分量は40~50%程度。卵というひとつの食品ではありますが、水分量にはこれだけの違いがあるのです。となると、冷凍結果に差が出るのもうなずけますね。


なぜ液体凍結機なら卵を冷凍できるのか

ではなぜ、液体凍結機を使うと卵を冷凍することができるのでしょうか?
それは-35℃で急速に冷凍するから!氷結晶が大きくなり、細胞破壊の原因となる最大氷結晶生成帯をハイスピードで通過するため、細胞破壊を抑え、解凍後もドリップを少なくすることができます。


目玉焼きの冷凍テスト、その結果は?

今回のテストでは液体急速凍結機「リ・ジョイスフリーザー」と、もう一方はエアーブラストでの冷凍を実施しました。エアーブラストは冷風を食品に直接あて、凍結させる冷凍方法で、緩慢冷凍とは異なります。どちらも庫内・槽内の温度は-35℃で設定し、芯温-20℃まで冷凍しました。
さて結果はいかに…!?


解凍後のふたつを見てみると、大きな違いはありませんでした。注目すべきドリップですが、いずれも量に大きな差はないようです。
黄身(卵黄)の部分には違いがあるものの、これは加熱したときの出来栄えの差であり、冷凍方法による違いではありません。


試食してみると、白身(卵白)部分に違いがありました。液体凍結の目玉焼きは、冷凍前のものとあまり差がありませんでしたが、エアーブラスト凍結の目玉焼きは白身部分がかたく、ゴムのような食感で、風味も落ちています。黄身部分の食感や味には、大きな差はありませんでした。


お客様に結果をお届け!

味や食感の違いについては、テスト実施者2名の意見となりますので、お客様にもお試しいただくべく、同じ条件で冷凍したものをお送りしました。1カ月冷凍保存したあと解凍し、試食してくださるとのこと!結果が楽しみです。


冷凍テスト、してみませんか?

このように、冷凍には不向きとされている食品でも、液体凍結機を使えば冷凍が可能になる場合もあります。他の製品や、他の冷凍方法との違いなど、さまざまなテストをしてみるのはいかがでしょう?お客様によって扱う食品の特性、加工の頻度、規模など、いろいろな条件があるため、テストをしてみると意外な結果が得られるかもしれません。
食品のサンプルと条件をお送りいただければ、テストは無料で実施しています。実際の製品をご覧いただきたい方は当社のテストルームにお越しいただき、一緒にお試しいただくこともできます。

冷凍することによって広がる食品の可能性を、ぜひ一緒に探してみませんか?「これって冷凍できる?」と思う食品がありましたら、お気軽にお問合せください。

更新日
2020/05/13
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